神保町の古書店 @ワンダーのブログ
神田神保町の古書店、アットワンダーです。SF・ミステリ・映画関連品ほか、買取歓迎! 古書探求をお楽しみの後は、2階に併設のブックカフェ二十世紀で珈琲をどうぞ。
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カテゴリー:SF、サイエンスフィクション (10件ずつ表示)

・2016/10/17 【SF新入荷】東京元々社 最新科学小説全集 他
・2016/10/11 【SF、ファンタジー】 お客様からよく聞かれるアレやコレ&ジュヴナイル版『宇宙家族ロビンソン』『宇宙大作戦』
・2016/10/09 【SFドラマ】 『ドクター・フー』小説版、久々に入荷!
・2016/10/03 【海外SF文庫】 ジョージ・R・R・マーティン編 《ワイルド・カード》
・2016/09/01 【海外SF】ハーラン・エリスン~2【アンソロジー】
・2016/09/01 【海外SF】ハーラン・エリスン~1【短編集発売記念】
・2016/08/13 【SF新入荷】 ラファティ、ディッシュ、ディキンスン他 サンリオSF文庫たっぷり入荷!
・2016/08/10 【幻想】エイブラハム・メリット作品ご紹介【新入荷】
・2016/07/21 【ハヤカワ・SF・シリーズ】ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』
・2016/07/16 【ハヤカワ・SF・シリーズ】往年の名作ご紹介

本日、ツイッターでご案内した新着本の紹介です。










こちらの作品は新着棚にて展開中です! この機会をお見逃しなく!



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 (訳:中上守)

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引き続きましてエリスンのご紹介です。
とは言いましても、1の方であらかたの情報は出し尽くした感があります。
というわけで、こちらでは1ではご紹介しきれなかった作品を
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R・シルヴァーバーグ他編『世界カーSF傑作選』講談社文庫 昭和56年発行
ウォルハイム&カー編『ホークスビル収容所 ワールズ・ベスト1968』ハヤカワ文庫SF 昭和55年発行

『世界カーSF傑作選』は車をテーマにしたSFを集めたアンソロジーです。
車でエリスンと来れば「101号線の決闘」というわけで、この作品集では大トリを飾っています。
ラファティ「田園の女王」、ハリー(ハリイ)・ハリスン「世界一の名車」など珍しい作品も収録されております。

『ホークスビル収容所』はワールズ・ベスト1968の副題の通り、各年の中短編の際立った作品を収録したアンソロジーです。
ウォルハイム&カーの「年刊ベストSF」アンソロジーとして知られるこちらは、本邦では65年の『時のはざま』から68年の『ホークスビル収容所』までが刊行されております。
こちらの作品は『死の鳥』に収録されるまで、先にご紹介した『海外SF大賞傑作選2』と同様に「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」を読むことができた、数少ないアンソロジーでした。
本書にはディレイニーの「ドリフトグラス」、ラファティ「いなかった男」なども収録されております。

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ホールドマン編『SF戦争10のスタイル』講談社文庫 昭和54年発行
ファーマン&マルツバーグ編『究極のSF-13の解答-』創元推理文庫 昭和55年発行

『SF戦争10のスタイル』の編者、ホールドマンといえばヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた『終わりなき戦い』で知られ、ベトナム戦争での従軍経験がある人物でもあるため、戦争にまつわるSFを集めた本作に携わったのもそうした背景を踏まえてのことだったようです。
ベトナム戦争が終結したばかりという時代的なものもあり、戦争や人類の未来についての悲観的な作品が多く見受けられます。
こちらにはエリスンの「バシリスク」が収録されています。悲惨な戦場で心身に傷を負った帰還兵が戻った故郷で冷遇を受けて…という話の筋は後の映画『ランボー』に通じるものを感じます。
現在のところ「バシリスク」が読めるのは本書と、掲載されたSFマガジンのバックナンバーしかないようです。

『究極のSF』は当時の一流のSF作家たちにファーストコンタクト、不死、ロボット、タイム・トラベルなどなど12のテーマをそれぞれに担当させた13作品を収録したアンソロジーです。
これらの中からエリスンの担当したのは“未来のセックス”。12のテーマなのに13作品という不一致の理由がこのテーマで、ジョアンナ・ラス「わたしは古い女」もまた“未来のセックス”のテーマで収録されています。どうやら、男女それぞれの視点からということのようです。
エリスンの課題作「キャットマン」は、人間と機械という組み合わせで正面からテーマに取り組んだ作品です。
さて、このアンソロジーの面白いところに、それぞれのテーマ担当者のあとがき+おまけがあります。そこでは編者からのリクエストでそれぞれの作者に (a)担当テーマの古典と思われるもの (b)今回の作品を書く上で影響を受けたもの (c)最低1編の自作を含んだリストを上げることが課されています。
エリスンの場合ですと、ファーマー『恋人たち』、ル=グウィン『闇の左手』、自作からは「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」などを上げています。一流のSF作家たちが同業者のどんな作品を挙げているのか確かめてみるのも一興かと。
他にも珍しいところでは“ホロコーストの後”というテーマで「けむりは永遠に」(※)を寄せたティプトリー自身のあとがき(!)があります。この作品が発表された当時はまだティプトリーショック以前だったものですから、なんとなくその語り口に男性を感じさせるものがあり、シルヴァーバーグに送っていた手紙もこんな調子だったのかもしれないと想像するのはなかなかに愉快です。翻訳も(邦訳刊行はショック後)それを意識してか男性調となっていて妙に嬉しくなってしまいました。
 ※ ハヤカワ文庫版では「煙は永遠にたちのぼって」『老いたる霊長類の星への賛歌』収録

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フレデリック・ポール他編『ギャラクシー上・下』創元推理文庫 1987年発行
こちらはアメリカのSF雑誌『ギャラクシー』こと“Galaxy Science Fiction”の創刊30周年を記念して刊行されたアンソロジーとなっています。
【海外SF】 〈ギャラクシー〉の栄光
詳しいところはリンク先の以前に取り上げた記事に譲るとしまして、下巻にエリスンの「冷たい友達」が収録されています。
こちらも現在までのところ、他での収録の無い作品となっています。エリスンの子供時代とハイスクール時代の思い出を下敷きに、すでに終わったと思われる世界を舞台にした短編作品です。エリスン自身の言によれば、SFワークショップで出会ったギャラクシー誌の編集者の頼みを断りきれず、ワークショップ参加中にわずか3時間で書き上げた作品とのことです。
寄稿した他の作家がギャラクシー誌にまつわる感謝や賞賛の思い出を語る中、引き受ける際に念押しした“原稿に一字一句手を加えない”という条件を破った編集者にそのことを“丁重に示唆”し、印刷所のゲラを押さえて直させたエピソードを持ってくるあたりが実にエリスンぽいです。

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『SF宝石』1981年6月号
『奇想天外』1976年11月号


『SF宝石』1981年6月号にはエリスンの14頁ほどのインタビュー記事が掲載されています。
エリスンの姿と彼の自宅の写真も載っており、ドラマや映画のシナリオで多忙を極め、また稼いでもいたといわれるエリスンの暮らしぶりが見れる貴重なものとなってます。
エリスンのインタビューからは、彼のカリスマ的と言われる魅力の一端が伝わってきます。
打てば響くといった印象で、多彩なエピソードを交えた軽快な語り口でインタビューに答えるエリスンからは、彼の世に出回っている評判の幾つかは、なるほどこういうところから来てるのだろうなと思わせるものがあります。
詳しくご紹介したいところですが、すでに記事がだいぶ長くなってるのでここはワンフレーズだけピックアップ。
テレビの公開討論会に幾人かのゲストとともに招かれた席でのこと、「人生の目的とは何か」と問われ、先のゲストたちがその質問の厄介さに憤慨したり、韜晦したりする中

ぼくの番になったので、こう答えた。「人生の目的は、死の絶対性に立ち向かうことだ(to say no to death)」ってね。人間、それ以外に何ができる?
ぼくの隣りにいたゲストの老婦人が、これを聞いて、ぼくの頬にキスしてくれた。


これぞエリスン節。
なお、インタビューと同時に掲載された短編「ヒトラーの描いた薔薇」の邦訳は現在でもこちらでしか読むことができないようです。
ラジオの番組の放送中にリスナーからのリクエストを受けてタイプライターと辞書だけを傍らにおいて書き上げたという、これまた“らしい”逸話のある作品です。

『奇想天外』1976年11月号には、こちらもここでしか読むことのできない「最後の剥製」が掲載されています。エリスンがSF作家として飛躍を迎えたのは60年代の半ばからで、翻訳されている作品もそれ以降のものが中心になるのですが、こちらの「最後の剥製」は珍しく飛躍以前の1957年の作品となっています。
宇宙中の猛獣を狩り、腕利きのハンターとして名を馳せた一人の男が最後に残した剥製にまつわる短編です。
デビューして間もない時分にあたるので技巧はまだ研鑽の中にあり、あの文章から溢れてくるようなエネルギーも上手く作品に込めきれていない印象があります。しかし、エリスンの特徴と言える苦痛と暴力へのこだわりはこの作品にも見て取れます。

さて、記事2つに渡ってご紹介してきましたエリスンとその作品についてですが、脱線を交えつつだったので予定を大きく超えた長さになってしまいました。
エドガー賞を受賞した作品が収録されているハヤカワ・ミステリ文庫の『エドガー賞全集』や『新エドガー賞全集』ですとか、雑誌掲載のみの作品が『マンハント』のバックナンバーにあるだとか、エリスンとアシモフのエピソードは『アシモフ自伝』(早川書房)に、などなど、エリスンにまつわるものはまだまだあります。
新刊も、『死の鳥』に続いて近く国書刊行会からエリスンの短編集が刊行されるとの情報もあります。
エリスン・リブートともいうべき、この機会にエリスンの作品を改めて探索していくのも楽しいものです。

そうした探索で、神保町に足を運ばれた際には是非、当店@ワンダーにもお立ち寄り下さい!



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先頃、ハーラン・エリスンの短編集『死の鳥』(ハヤカワ文庫SF)が発売されました。
ハーラン・エリスンの短編集としては『世界の中心で愛を叫んだけもの』以来になる2冊目ですから、首を長くして待っていたSFファンの方も多かったのではないでしょうか。

ハーラン・エリスンは1934年生まれ、オハイオ州で少年時代を過ごし、オハイオ州立大に進んだものの創作講座の教授と折り合いが悪く中退。56年から短編を発表し始めますが、その頃の評価は芳しく無く、製材所工員、トラックドライバー、コピーライターなど職を点々とした厳しい生活を送っていたようです。その後、ニューヨークに出て、ストリートギャングに混じって生活を送った体験を元に処女長篇『Rumble』を出版。このころ陸軍で兵役についており、ここでも後のエリスン伝説の一幕を飾る逸話を残しながら追い出されるようにして退役してTV業界へ。ここで「アンクルから来た男」「宇宙大作戦」「ラットパトロール」「バットマン」「ハニーにおまかせ」など人気ドラマの脚本に携わったことで、エリスンの作家としての才能が開花したのだと言われています。
事実、60年代中頃からエリスンは、SF作家として質の高い作品を連発し始めます。65年の「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」でヒューゴー賞、ネビュラ賞のダブルクラウンを皮切りに、67年には「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」で短編部門の、「永遠の淵に立つ都市」(宇宙大作戦のシナリオで、後にブリッシュが小説化)でドラマ部門の、編集した『危険なヴィジョン』で特別賞という3部門でのヒューゴー賞受賞という栄誉に輝きました。続く68年「世界の中心で愛を叫んだけもの」、69年には「少年と犬」がこれまたヒューゴー賞に冠し、エリスンの名を不動のものとしました。
こうしてSF作家としての大成功を収めたエリスンでしたが、SFは彼の活動範囲からすればごく一部にすぎず、ミステリでは「鞭打たれた犬たちのうめき」でエドガー賞受賞、テレビ、ラジオ、映画のシナリオなど多数の仕事を抱え、アメコミのシナリオも手掛けるなど、その活躍は多岐にわたります。

当ブログでも以前エリスンが脚本を手掛けたアメコミを取り上げております。
【海外コミック】 小説家が脚本を書いたコミックの話 / 〈HEROES FOR HOPE STARRING THE X-MEN〉、ハーラン・エリスンの〈Detective Comics〉

本日は、そんなエリスンの全仕事とはいきませんが当店からご紹介できるものをピックアップしてみたいと思います。
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ハーラン・エリスン『世界の中心で愛を叫んだけもの』ハヤカワSFシリーズ3306 昭和45年発行
エリスンの作品としては日本では最も知られているであろう表題作を含む、15作を収録した短編集です。
73年に発刊されて以来、文庫に引き継がれる形になりましたが現在まで絶版になることなく発行されてきたというのは、この作品とエリスンのファンが時代を超えて存在し続けている証拠と言えるでしょう。
まえがきの「リオの波」からは、当時のSFの枠を打破しようとしていたエリスンの熱量が伝わってきます。

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アイザック・アシモフ編『世界SF大賞傑作選(ヒューゴーウィナーズ)』シリーズ講談社文庫
作品を出せば、ヒューゴー賞を獲っていたような感のあるエリスンのこと、7冊中2、4、7、8に受賞作が収録されています。
2巻に「「悔い改めよ、ハーレクイン!」とチクタクマンはいった」、4巻に「世界の中心で愛を叫んだけもの」、7巻に先の新刊の表題作でもある「死の鳥」、8巻に「ランゲルハンス島沖を漂流中」(※)となっています。
この『世界SF大賞傑作選』のシリーズは3巻が諸事情で欠番となっており、1、2と4~8巻の全7巻となっております。
このシリーズは収録作品が全てヒューゴー賞受賞作というクオリティの高さに加え、アシモフが各作家各作品に寄せた評が、ウィットに富んだ名調子であることでも知られています。
と、なれば親友でもあり、4回も掲載されることになったエリスンの評たるや、もう遠慮なしにいじり倒しております。
エリスンは、ニューヨーク時代のまだほぼ無名といって良いころから、SF大会などに顔を出しては暴れまわる傲岸不遜なSFファンとして恐r・・・もとい知られていましたが、その若者が、数年後にはヒューゴー賞を独占するような気鋭のSF作家になったものですから、作家たちの間では相当なトラウマになったようで、
別のSF大会で、かつてのエリスンを彷彿とさせる才気煥発な若者が現れたときのエピソードが2巻で紹介されております。

SF作家たちがおびえて顔を見あわせる中で、ひとりがいった、「あれは第二のハーラン・エリスンだぞ」
するとまたひとりが、この人物についてはロバート・シルヴァーバーグというだけで名前は伏せることにするが、こう言った、「今のうちに殺そう」


などなど愉快なエピソードが盛り込まれ、どの作品に付けられた評も、エリスンへの敬意と愛と闘志に溢れた秀逸なものです。
特に、エリスンが誕生したときに国中の妖精が集まった大祝祭のエピソードなど、くれぐれも周囲に人のいるところで読まれませんように。
SF作家界きってのユーモアの達人アシモフの本領が発揮されております。
 ※ 原題に忠実にということで、『死の鳥』では「北緯38度54分西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」となってます。

エリスンとアシモフは顔を合わせば、ウィットに富んだ掛け合いをすることを好んだという相互いに認め合う仲だったのですが、片やSF界の暴れん坊、片やSF界の重鎮という歳の離れた二人がこうも仲良くなったのには、きっかけがあったようで。

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ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン1』ハヤカワ文庫SF 昭和58年発行
こちらの『危険なヴィジョン1』の序文には、有名なアシモフとエリスンのファーストコンタクト。SF大会にて初対面のアシモフにエリスンが「なってねぇなあ!」という強烈な一言を言い放ったエピソードがアシモフの視点から語られています。
この、はねっかえりの若者の暴挙としか思えないエリスンの振る舞いをアシモフは寛大な心(もちろん仕返しをした後)で許し、二人は友情を結ぶことになりました。
この点についてエリスンも注釈を加えているのですが、あの傍若無人にして、相手を選ばずフランク・シナトラにすら噛み付いたというあのエリスンがアシモフに対する敬意と感謝を口にしています。
二人の友情は変わることなく続き、アシモフは自著『ABAの殺人』(創元推理文庫)にエリスンをモデルにした「ダライアス・ジャスト」という人物を登場させ、エリスンは『黒後家蜘蛛の会』シリーズの未収録作を収めてアシモフの没後に刊行された『The Return of the Black Widowers』(未訳)にアシモフを偲ぶ序文を寄せています。

エリスンが編者を務めた『危険なヴィジョン1』は、60年代にアメリカSF界で認知され始めた「新たな波」“ニュー・ウェーブ”の到来を期して編まれた書下ろしのアンソロジーです。エリスン自身の「世界の縁にたつ都市をさまよう者」をはじめ、呼びかけに応えたシルヴァーバーグ、フィリップ・ホセ・ファーマー、フレデリック・ポール、オールディスらの、それぞれ新しい時代に向けた野心的な作品が収録されています。
『危険なヴィジョン1』とありますように、こちらは2、3も刊行が予定されていましたが、続刊は現在に至るも音沙汰なく…

さて、まだまだあるご紹介の作品は次の記事で。




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本日は新規入荷がございましたエイブラハム・メリット作品のご紹介です。

エイブラハム・メリット(1884~1943)は『ザ・アメリカン・ウィークリィ』誌編集者を務めるかたわら、SF黎明期に、欧州から古代インカやマヤまでの広範な神話を取り入れた異境を舞台とした冒険小説を書くファンタジー作家として地歩を築きました。
彼の作風は、絢爛豪華なイメージと描写が特徴としてあげられます。
あくまで編集者であることを主としていたため作品点数はさほど多くないのですが、その作品はどれも丁寧にイメージを積み重ねた幻想的な世界観の名作ばかりです。

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エイブラハム・メリット著 鏡明訳『蜃気楼の怪物』朝日ソノラマ 昭和49年

こちらの作品は朝日ソノラマの少年少女世界冒険小説シリーズの9巻目にあたります。
本作はハヤカワSF文庫の『蜃気楼の戦士』を若い読者向けに平易な言葉と描写に置き換えるなどした作品となっております。
『蜃気楼の戦士』は発表当初、その哀愁漂う結末に難色を示した編集者の意向でハッピーエンドに改変され出版され、後に本来の姿だったバッドエンド版が出版されたことが知られております。なお、本国ではハッピーエンド版の方が盛んに再版されるなど状況が少々入り組んでいるようです。
日本での翻訳はバッドエンド版を下敷きにしたものなので、本国のファンのイメージと少々差異があるやもしれません。
本作はジュブナイルとなりますが、作者の原典に忠実に、こちらもバッドエンド版を採用しております。


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エイブラハム・メリット『ムーン・プール』ハヤカワ・SF・シリーズ3242 昭和45年
エイブラハム・メリット『秘境の地底人』朝日ソノラマ文庫海外シリーズ25 昭和61年

『ムーン・プール』は月の力で開かれるゲートを通った先の地下世界で冒険に巻き込まれる植物学者の物語です。
メリットの処女長篇であり、幻想冒険小説としての評価も高く、後に半村良の『亜空間要塞』にメリットの名とともに「ムーン・プール」が作中に登場するなど話題性もあるのですが、未だに入手困難な作品としても知られております。

『秘境の地底人』はメリットのデビュー作など9本を収録した短編集になります。
個人的に印象深かった作品をいくつかご紹介。
『中世フランス語の幻』は、極限の戦場で消耗した一人の兵士が見た幻の物語。
幻は医師の暗示による誘導が見せたものだったはずが、現実にするりと入り込んでくるイメージが鮮やかな1編です。
『樹精の復讐』は戦争で負った心の傷の癒やしを求めて、湖畔の宿に逗留していた男を森の樹の精が魅了して…というドライアドの伝説を下敷きにした物語。神話、伝説で聞き知った物語が現実と混じり合うところに幻想の妙味を感じます。

当店では幻想小説作家エイブラハム・メリットの著作を、他にもお取り扱いしております。
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川口正吉訳『イシュタルの船』ハヤカワ・SF・シリーズ3199 昭和43年 
荒俣宏訳『イシュタルの船』ハヤカワ文庫FT 昭和57年

中東の出土品から発見した帆船の模型に込められていた魔力によって、古代バビロニアの神話世界に迷い込んだ資産家ジョン・ケントンの冒険の物語です。
これぞメリットの面目躍如といった豊富な神話知識を引き出しに、異境での冒険を描いた物語です。
さて、こちらハヤカワ・SF・シリーズ版とハヤカワ文庫FT版で訳者が違うのですが、翻訳元もそれぞれ異なります。
1924年にアーゴシイ誌に掲載されたものを縮小改編してエイヴォン社が1945年に出版したものを翻訳したのが川口正吉訳。
荒俣宏訳の方は1949年にボーデン社から記念版として出版された雑誌掲載時のままのいわば完全版を底本としております。

現実にふと混じり込んでくる幻想を楽しむ、そんな夏の読書のおともにいかがでしょうか?



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前回から引き続きのハヤカワ・SF・シリーズご紹介です。

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エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』ハヤカワ・SF・シリーズ3296

「キャプテン・フューチャー」シリーズで後にその名を知られることになるハミルトンは、1926年の『ウィアード・テイルズ』誌に掲載された短編「マムルスの邪神」(The Monster-God of Mamurth)にて作家デビューを果たしました。
折しも『アメージング・ストーリーズ』や『アスタウンディング・ストーリーズ』などの草創期のSF雑誌が相次いで創刊されていたこの時代。ハミルトンは「星間パトロール」シリーズをはじめとする数多くのスペースオペラを発表しその地歩を確かなものとします。
作家としての活動の場はSFだけでなく、ミステリやアメコミのスーパーマンやバットマンの原作までこなす広い射程を持っていました。

今回ご紹介する短編集の表題ともなっている『フェッセンデンの宇宙』は1930年代に入りすでに一定の成功を収めていたハミルトンが、ある種の虚無感を作品の中に取り込み始めた頃の作品です。『フェッセンデンの宇宙』はSFにおける人工宇宙の代名詞的存在で、ハミルトンがここで注目した宇宙の入れ子構造という着想は、後に続く作品を多く生み出しました。
ここでは収録されている他の短編の中から幾つかに触れてみたいと思います。

『追放者』“Exile”
わずか7ページほどでありながら、この作品もまた見事な切れ味を見せてくれます。
SF作家が集った酒の席での話。一人が思わせぶりな一言から自分の体験談を語り始めます。与太話だと思っている仲間たちからの質問を切って落とす最後の一言が効果的です。

『ベムがいっぱい』“Wacky World”
ハミルトンの茶目っ気がかいま見える作品です。
世界で初めて火星に降り立った宇宙飛行士たちが見たものは、SF小説から抜け出てきたような大目玉の赤い火星人や触手のタコ型火星人たちだった。大気もあって気温も申し分ない。おまけに彼らの喋る言葉は英語ときてる。あまりに科学者の予想からかけ離れた火星の様子に面食らいながら彼らは火星人と友好的な接触を図るが……
地球人が書いたことが実現してしまうおかげで、ひどい目にあってきた火星人たちの怒りには、地球人として申し訳なくも大笑いしてしまいました。
“ときどき、科学的な正確さに固執するタイプの作家が現れて、きみたちの天文学者の主張する通り、火星を厳寒な土地にしてしてしまう。そこでわれわれは、凍死もしかねない状態に追い込まれるのじゃ!” (p145)
いやぁ申し訳ない。
これを書いたのが他でもないハミルトンというのが最高です。

『時の廊下』“The Inn Outside the World”
時空を超越した場所にあらゆる時代の賢人たちが一同に会すクラブが存在し、現在の危機を乗り切るために、そこの規則に反することは承知の上で知恵を借りるべく訪れた現代の賢人とうっかりついてきてしまった護衛の話。
こういった作品の偉人の錚々たる面子は楽しいものです。イクナートン、ソクラテス、孔子、シーザー、フランシス・ベーコン、ベンジャミン・フランクリン、アショーカ王…、彼らは禁止されている時代を超えた干渉に抵触するこの要請をどうすべきか議論します。
議論は紛糾し誰もが決めかねる中、ずっと沈黙していた遠未来からの参加者が口を開き……
彼の言葉はそこまでのコメディの気配を一変させ、膨大な時間に対峙するものの厳粛さすら感じさせます。
最後の場面の印象もさわやかな一品です。

『何が火星に?』“What's It Like Out There?”
こちらは『向こうはどんなところだい?』の題で河出書房新社の奇想コレクション版にも収録されております。
双方のタイトルから想像できるように、火星開拓から帰還した宇宙飛行士の話です。
事故や病気、開拓者の反乱などで散々な目にあってようやく地球に帰還した主人公は出会う人皆から聞かれます。「火星はどんなところでした?」と……
希望を与えるように、悲しませないように、求められる答えを返す主人公の心情がなんともやるせない作品です。

いずれもハミルトンの多面性とアイデアの豊かさが伺える作品たちです。
特に『ベムがいっぱい』の自分への皮肉とも取れる内容を笑いに昇華してみせた柔軟さはハミルトンの屈託のなさを感じられます。
スペースオペラでの成功があまりに印象強いせいで、忘れられがちなハミルトンのアイデアの素晴らしさや軽妙な語り口などがこれらの短編の中で存分に振るわれています。

ついつい紹介文が長くなってしまいました。
切れ味の良いアイデアと、軽妙な語り口が効いたハミルトンの名作短編集。
夏を迎えるこの時期におひとついかがでしょうか?




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ハヤカワSFマガジンの最新号でハヤカワ・SF・シリーズの記念特集が組まれていましたが
縁ありましてハヤカワ・SF・シリーズのまとまった入荷がございました。
せっかくの機会という事で、そのうちからいくつかの作品のご紹介を。

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ストルガツキー兄弟『幽霊殺人』ハヤカワ・SF・シリーズ3316

以前、ご紹介時の記事はこちら
【海外SFご紹介】 ストルガツキー兄弟『幽霊殺人』!

ストルガツキー兄弟は兄アルカジイと弟ボリスの共作で、アルカジイが亡くなる1991年まで『ストーカー』『収容所惑星』など今もなお高い評価を受ける作品を世に送り出してきました。近年でも2013年に『神様はつらい』がアレクセイ・ゲルマン監督の手で『神々のたそがれ』とタイトルを変え映画化され話題となったことをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
活動時期が冷戦期ソビエト連邦の作家であるため、婉曲的な体制批判なども作中に多く、本国では発禁処分になった作品も少なくないと聞きます。政府批判や思想性の比較的薄いように思える本作にあっても本国では検閲を免れず、いくつかの語句を置き換えられるなどして出版されました。

この『幽霊殺人』はストルガツキー兄弟が新たな探偵小説を構築する試みとして構想された作品でした。
たしかに本作はSFシリーズよりはHPBがふさわしいようなミステリ的な、外部から隔絶された雪山の山荘、そこを訪れた休暇中の刑事、謎めいた宿泊者、そこで起きる不可解な殺人という要素が冒頭から散りばめられています。
しかし、それでもこれが銀背であるのは、ストルガツキー兄弟が試みた伝統的探偵小説からの飛躍がそのまま、この作品がハヤカワSFシリーズにて刊行されることになった理由となったからでしょう。
探偵小説にSF的要素を入れるという飛躍の成否については後に、弟のボリス・ストルガツキーが「アイデアは良かったがこの試みは失敗だった」と振り返っています。しかしながら、彼らの失敗の自覚とは別に本作の娯楽性は高く評価され、本邦のみならず世界各国で翻訳され好評を博しました。
この読者からの評価にはボリスも「大いに慰められた」と述懐しています。

この作品の妙味は、主人公の「正義」への懊悩にあります。「正義」に従い自分の取った行動で(直接ではないにしろ)結果的に起きることへの責任について、ストルガツキー兄弟が主人公に託して浮き彫りにしたものは本作にジャンルに縛られない普遍性を与えたと言えるかもしれません。

兄のアルカジイはモスクワの外語研究所で日本語を学びその後も軍で通訳、教師などを経たために日本語に堪能で、夏目漱石や芥川龍之介などの翻訳で日本文学をロシアに紹介した人物でもあります。
そうした翻訳者としてのアルカジイの手によって安部公房の『第四間氷期』のロシア語訳がなされました。

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安部公房『第四間氷期』ハヤカワ・SF・シリーズ3062
『第四間氷期』は日本初の本格長編SFと言われている作品です。
これ以前にも海野十三や押川春浪などSFに分類される作品は存在しましたが、冒険小説的な色彩が強かったこれら先行する作品に対し、こちらは科学を軸に人類の未来を描いたという点で確かにSFとしての立地を示した作品と言えます。

安部公房は三島由紀夫と並ぶ第二次戦後派の作家として国内外で高い評価を受け、『壁 - S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞、『砂の女』で読売文学賞を受賞した時代を代表する一人として知られる大作家です。
その安部公房が、初期に著したSF作品のひとつがこの『第四間氷期』です。
未来を予測する電子計算機の開発と、それによって予想もしなかった未来を知ることになった人々が、その未来を巡る陰謀に翻弄される物語です……と言ってしまうと簡単なのですが、実際にはこの筋は中盤までで、そこから先は人類、あるいは未来そのものが主人公と言っていいかもしれません。
これについては巻末のあとがきにて、安部公房自身が「未来」というものの残酷さ日常的連続性からの断絶として有り様を語っています。



未来が、肯定的なものであるか、という議論はむかしからあった。また、肯定的な世界のイメージや、否定的な世界のイメージを、未来のかたちをとって表現した文学作品も多かった。
しかしぼくは、そのいずれもとらなかった。はたして現在に、未来の価値を判断する資格があるか、どうかすこぶる疑問だったからである。何らかの未来を、否定する資格が無いばかりか、肯定する資格もないと思ったからである。
真の未来は、おそらく、その価値判断をこえた、断絶の向こうに、「もの」のように現れるのだと思う。





こうした思索が反映された、ある種の無常観を帯びた作品となっています。

他の作品もご紹介したいところですが文量が多くなってまいりましたのでひとまずはここまでとさせていただきます。
今回は、翻訳で縁のあった2つの作品のご紹介ということでひとまず。




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