神保町の古書店 @ワンダーのブログ
神田神保町の古書店、アットワンダーです。SF・ミステリ・映画関連品ほか、買取歓迎! 古書探求をお楽しみの後は、2階に併設のブックカフェ二十世紀で珈琲をどうぞ。
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こんにちは、スタッフFです。海外コミックコーナーからのお知らせ、今日はDCコミックスです。
さっそくですがごらんください。1993年のクロスオーバー長篇『BLOODLINES』が入荷しました!

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『BLOODLINES』全25冊揃(DC COMICS, 1993年)

地球人に擬態、人間を襲い、骨髄から養分を啜る7体のエイリアン“パラサイツ”と、集めたエネルギーから彼らが生み出した巨大怪物テイカーに、DCヒーローズが立ち向かう!
全4部構成の大長編、DC各タイトルの年刊増刊号(アニュアル)上で繰り広げられた“OUTBREAK”“EARTHPLAGUE”“DEATHSTORM”と、完結編となるミニシリーズ“BLOODBATH”からなる全25冊です。
(タイトル一覧をこちらにご用意しました。)
同時期の『DEATH AND RETURN OF SUPERMAN』『KNIGHTFALL』といったメジャーヒーローたちの一大事を追ったイベント*1や、翌1994年の大規模クロスオーバー『ゼロ・アワー』あたりと比べると、現在では振り返られることも少ない長篇ですが、コミックファンからは、あるヒーローの初登場作品として記憶されています。

その男、ヒットマンことトミー・モナハン

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(画像中央のひとです)

『BLOODLINES』各誌では、パラサイツに髄液を吸われて生き残った人々が、ヴァンパイア的に超人化し、新たなヒーローとして登場。イベント終了後には、彼ら“ニュー・ブラッド”を主役にした新しいシリーズがいくつかスタートしました。
残念ながら、そのほとんどは定着に至りませんでしたが、ただひとり読者から静かな支持を集めたニュー・ブラッドがこのヒットマン。近年日本での知名度も急上昇! 超人専門に殺しを請け負う、DCきってのハードボイルドヒーローです。

本日は『BLOODLINES』第3部“DEATHSTORM”より、その初登場作、〈DEMON〉誌アニュアル2号をかんたんにご紹介いたします。

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まずは〈DEMON〉誌の主人公、エトリガン・ザ・デーモンについて。
かのキャメロットでアーサー王に仕えた騎士ジェイソン・ブラッドは、魔術師マーリンによって悪魔と融合させられ、不老不死を手に入れました。ゴッサムシティの悪魔学者として現代に生きるジェイソンが、マーリンから渡された詩を口ずさむとき、その身体を依代に、悪魔エトリガンが姿を現すのです。

さあ、ゴッサムシティに殺し屋トミー・モナハンが登場し、物語が幕を開けます。

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今夜の標的は、ゴッサムの半分を牛耳る大物ギャング、ダブルズ。いざ仕事に取りかからんとトミーは照準を定めます。ところが、スコープには、ダブルズと、ダブルズに襲いかかるおぞましい化け物の姿が。

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ダブルズは殺され、トミー自身も、化け物に存在を感づかれる不運に見舞われます。パラサイツのひとりグロンスの強襲に、プロとはいえただの人間に過ぎないトミーは手も足も出せず、あえなくごちそうに……。

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髄液をたっぷり吸われ、搬送されたトミー。一命をとりとめたものの、目覚めると世界は一変していました。他人の心の声が響き渡り、その瞳は何もかもを見通せるようになっていたのです。

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かくして読心能力と透視能力を手に入れたトミーでしたが、ダブルズを狙った件で、その手下たちから追われる身にもなっていました。かかる火の粉を払うため、ありったけの弾薬をひっさげて、ダブルズの通夜にいざカチコミ。

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いっぽう、ゴッサム中で暴れまわり、ダブルズの髄液がいちばん美味かったと結論付けたグロンスも、その息子を狙って、通夜を襲撃。さらに、弔問客の中には、グロンスと一度交戦し、その行動を予測していたジェイソン・ブラッド/エトリガン・ザ・デーモンの姿も。
「死者を愚弄する気か!」 ギャングたちの怒りも空しく、たちまち地獄絵図が広がり……。

こんな具合で、銃弾をばらまきながらDCユニバースに登場したヒットマン/トミー・モナハンは、その後じわじわと人気を集め、1996年には主演誌〈HITMAN〉が創刊、2001年まで続く長期作品になりました。日本でも、近年犬溶接マンを擁する名脇役チームセクション8話題になりましたし、それに後押しされてまさかの翻訳版(エンターブレイン、既刊2巻)まで出ましたから、ご存じの方も多いことでしょう。
ガンアクションやクライムコミックをお好みの皆様、“セクション8には笑ったけど、『ヒットマン』本編は読んでない”なんてことはございませんか? だとしたら、とてももったいないことです!
DCユニバースのマナーにのっとったり茶化したりしながら、脚本のガース・エニス*2がその作家性をのびのび発揮した傑作ハードボイルドです。ぜひぜひ書店で日本語版を探してみてください!

おもわず新刊書店さんへのご案内をしてしまいました。話題を『BLOODLINES』に戻しまして……。

上記の〈DEMON〉誌アニュアル2号が、〈HITMAN〉誌の合本に収録され、日本語版でも読むことができるのに対し、長篇としての『BLOODLINES』は、長らくリプリントの機会に恵まれず、ペーパーバックなどのまとまった形にはなっていません。
ですがつい先日、DCコミックスから同名の新シリーズの刊行がアナウンス。
EXCLUSIVE: DC Comics Brings "Bloodlines" Back in April 2016 (Comic Book Resourcesより)
宇宙から、新たな脅威の襲来が予告されました!  相互関係は不明ながら、こうなると、オリジナル版も俄然気になってきますよね。
『BLOODLINES』全25冊、海外コミックコーナーに陳列しております。どうぞおはやめに!

海外コミック探求は、神保町の@ワンダーで!

*1 1993年を通して繰り広げられた『BLOODLINES』と、死んだと思われたスーパーマンの復活、バットマンの重傷による交代、という大事件は平行しており、その人事は逐次『BLOODLINES』作中にも反映されています。

*2 ガース・エニスは、苛烈な暴力とブラックユーモアを持ち味とする人気ライター。スティーブ・ディロンを作画に迎えた代表作『PREACHER』は、米AMCでドラマ化が決定。先日ご紹介したマーベルのパニッシャーでも、2000年代にディロンとのコンビで素晴らしい作品の数々を生んでいます。


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