神保町の古書店 @ワンダーのブログ
神田神保町の古書店、アットワンダーです。SF・ミステリ・映画関連品ほか、買取歓迎! 古書探求をお楽しみの後は、2階に併設のブックカフェ二十世紀で珈琲をどうぞ。
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こんにちは、推理・SF担当のスタッフFです。
海外コミックコーナーからお知らせいたします!

一日遅れで恐縮ですが、メリークリスマス!
本日最初にお目にかけますのは、マーベルコミックス名物〈Holiday Special〉誌です。

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読み切りのクリスマスエピソードを複数収録した、人気アンソロジー誌! (画像は1991年号です)
今年2015年も、〈Gwenpool Special〉と銘打った特別号が登場しました。
とりわけ話題になったのが、表題作にあたる"Gwenpool's Holiday Adventure"
スパイダーマンの亡き恋人グウェン・ステーシーと、おしゃべり傭兵デッドプールをマッシュアップした
キュートな新ヒーロー、グウェンプールが好評を集め、来年から主演誌の刊行も決定しています!

同作の作画を担当したのは、日本人アーティストユニットGurihiru
その代表作の一つとして知られる『Power Pack』は、
超能力四兄妹パワーパックの活躍を描いた1980年代の人気コミックを
ジュニア層に向けてポップにリブートした4号構成のミニシリーズです。
2005年から2011年まで全11期が発表され、
ちょうど本日、待望の日本語版も発売!(ヴィレッジブックス刊)
すでにパワーパックの魅力の虜になっちゃった方も多いのではないでしょうか?
そんな皆様にぜひおすすめしたいのが……、

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〈Power Pack〉 1号から55号まで 45冊一括
 (MARVEL COMICS, 1984~1990年)
   欠: 33、35、40、43、44、46、47、51~53号


1984年創刊、1991年まで全62号が刊行された〈Power Pack〉オリジナルシリーズ
惜しくも全号揃いではありませんが、コミックブックセットをご用意しました。
本日はこちらをご紹介いたします!

本作はアメリカンコミック史上初、
メイン工程にあたる脚本・作画の両方を女性作家が手掛けた作品でもあります。
創刊から40号までの殆どの脚本を担当したルイーズ・サイモンソン
最初の17号を作画したジューン・ブリッグマンの二人が生んだ
少年少女ヒーローチームパワーパック、まずはその素顔をごらんください。

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ティーンヒーローは珍しくないとはいえ、いくらなんでも若すぎる!
左からジュリー(10歳)、ジャック(8歳)、ケイティ(5歳)、アレックス(12歳)、
パワー家四兄妹からなるパワーパックは、マーベルユニバース最年少、
お父さんとお母さんにはぜったい内緒のスーパーヒーロー!
X-MENにとってのプロフェッサーXのような指導者としての大人も不在、
まだ思春期も迎えていない子どもたちのみで編成された異色のチームなのです。
いったいどうしてそんなことになったのか、そもそもの始まりはというと……、

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物理学者のジェイムズ・パワー博士が編み出した反物質のエネルギー利用法には、
連鎖反応で星を破壊してしまう可能性がありました。
同じようにして母星を失った経験を持つ宇宙人、エールファイア・ホワイトメーンは、
実験をやめさせようとパワー博士の元を訪れましたが、
時を同じくしてエネルギー変換器の兵器利用を目論む別種族、スナークスが地球に来襲、
パワー博士と妻のマーガレットはさらわれてしまいます。
自身も致命傷を負ったホワイトメーンは、最後の力を振り絞り、
パワー博士の四人の子どもたちに、自らの超能力を分け与え――、

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パワーパックがここに誕生!
アレックス=重力を司るジー(後にゼロ-G)、ジュリー=光速で空を飛ぶライトスピード
ジャック=密度自在のマス・マスター、ケイティ=エネルギーを吸収・放射するエナジャイザー
四人は、ホワイトメーンの宇宙船、意識を持ったスマートシップ“フライデー”*1と協力して両親を救出、
以降、秘密のヒーロー活動を続けることになったのです。
悪党のおやつをくすねたりしつつ、おなじみのマーベルヒーローともチームアップ!
ファンタスティック・フォーのリチャーズ夫妻の息子フランクリンが、
5人目のメンバータートルテールとして加わることも。

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ですが、ちびっ子ヒーローもお気楽に活動していたわけではありません。
まだまだ幼いというのに、両親や友達に秘密を抱える辛さもあれば、
大いなる力と大いなる責任についても考えなくちゃいけない。
さらに、脚本のルイーズ・サイモンソンは、いじめや薬物など、
同時代の子どもたちが晒されていた問題を作中随所に盛り込みました。
また、このころX-MEN系列誌に関わっていたこともあってか、
ミュータントたちの激しい戦闘に、何度かパワーパックを介入させています。

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たとえば27号は、ここ最近の記事でも何度か触れましたX-MENのクロスオーバー長編
《Mutant Massacre》のタイインエピソードとなっています。
地下に暮らすミュータント難民グループ モーロックス襲撃・虐殺事件。
下手人の殺し屋集団、マローダーズとの壮絶な戦いで、
X-MENのキティ・プライドとナイトクローラーは負傷・戦線離脱し、
X-FACTORのエンジェルは翼を失う重傷を負いました。

参考画像*2
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斯様に危険きわまる修羅場と化していることを知らず、
フランクリンを加えた5人のパワーパックは、モーロックスの友達を案じて、地下へ。
そこに、マローダーズの中でも最危険人物、ウルヴァリンの宿敵セイバートゥースが強襲!

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ウルヴァリンとも遭遇、忠告を受けてすぐに地下から離れることを約束しますが、
ともだちを見捨てておけない5人は、さらなる深淵へ潜ることを決意し……。

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行くか戻るか、かわいい多数決シーンにご注目ください。

このようなハードな展開も見せつつ、〈Power Pack〉誌は読者からの熱い支持を集め、
ルイーズが離れた後も連載は続きましたが、今回のセット収録分の直後、56号から
よりハードな作風に路線変更したことが仇となり、それからわずか半年で打ち切りに。
その後、1992年の特別号〈Power Pack Holiday Special〉
ルイーズとジューン・ブリッグマン、パワーパックのオリジネイターが再び結集し、
読者から総スカンを食ったシリーズ末期展開の軌道修正がおこなわれました。

おっ、話題が〈Holiday Special〉誌に戻ってきましたね。
というわけで、海外コミックコーナーからの一日遅れのクリスマスプレゼント
〈Power Pack〉誌 45冊セット、1階新着商品棚に陳列しております。どうぞおはやめに!

神保町で、アメコミ探求をお楽しみください!

*1 “フライデー”の名は、ホワイトメーンが愛読する地球の小説『ロビンソン・クルーソー』に由来(Gurihiru版ではスクリューボールコメディ映画『ヒズ・ガール・フライデー』からとされています)。ちなみに、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でも、トニー・スターク製のA.Iとして同名のキャラクターが登場しています。
*2 このときエンジェルを窮地から救ったのはマイティ・ソー。〈Thor〉誌 373、374号でその模様が描かれています。


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