神保町の古書店 @ワンダーのブログ
神田神保町の古書店、アットワンダーです。SF・ミステリ・映画関連品ほか、買取歓迎! 古書探求をお楽しみの後は、2階に併設のブックカフェ二十世紀で珈琲をどうぞ。
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2015/07/30(木) 14:30:00 | カテゴリ:文学
こんにちは。2階南側古書フロアより、絶版文庫のご紹介をさせていただきます。

@ワンダー2階南側古書フロアでは、岩波文庫文学書籍などとともに、
絶版文庫も取り扱っております。
絶版古書と言えど、単に古くて黒くなってしまったような本ばかりを取り扱って
いるわけではありません。逆に出版社の版が切れたものなら何でもござれと
いうわけでもありません。
今回は絶版文庫棚に並べられた文庫本の中からピックアップしたものを
少しだけご紹介させていただきます。
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まずこちらの絶版文庫は全て映画化された作品の原作のものとなっています。

画像左上『夏の日の恋』は、1958年アメリカで出版されるやたちまちベストセラーとなり、
1959年にワーナー社により映画化されました。
日本での公開時のタイトルは『避暑地の出来事』
パーシー・フェイス作曲の主題歌は、1960年に9週連続全米ヒットチャートの1位を記録し、
1961年グラミー賞を受賞しました。
映画の内容よりも主題歌で知られる作品かもしれません。

その下『うたかたの恋』は実際にあった心中事件『マイヤーリンク事件』を基に
書かれた作品です。
クロード・アネによって小説が書かれたのは1930年。
その後1936年にフランスで初めて映画化されましたが
検閲により日本では上映されず、その後1946年に公開となりました。
表紙になっているのは、1936年の映画のリメイク版として、1968年に
テレンス・ヤングを監督に迎え映画化された際のイメージです。
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ役をカトリーヌ・ドヌーヴが演じました。
本の表紙にデザインされた文字のフォントと、カトリーヌ・ドヌーヴの伏せた顔がいい味を出しています。

映画化されたものがヒットすれば、映画のイメージを表紙にともなって再販されるのは
今も昔も同じです。
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つづいてこちらは日本の文芸作品の絶版文庫です。
画像上段中央『万葉姉妹/こまどり温泉』川端康成の作品。
少女雑誌「ひまわり」「少女倶楽部」に掲載された作品を、当時のイラスト
とともに一冊の文庫本にまとめあげたものです。
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川端康成がいわゆる「少女小説」を手がけていた事は、あまり知られていないかもしれません。
巻末の「作者のことば」で川端康成は、「『万葉姉妹』は雑誌に出たときから、多くの少女に愛読され、
作者のわたしも、夏実や典子が好きで、よく書けたと思っています。少女たちに読んでもらって、
心をきよめ、胸をあたためるところもあると信じます。」と語っています。
決して、依頼があったから仕方なく書いたといった仕事ではないようです。
雑誌掲載時のものを全点復刻した玉井徳太郎のイラストが、川端康成の作品に彩りをそえます。


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文芸作品ばかりではなく、面白絶版文庫も取り扱っております。
画像左上はそのタイトルに違わず、日本の離島を対象にしたフィールドワーク
を写真とともにまとめあげた『写真 日本の離島』
編集は法政大学カメラ部、監修は宮本常一
巻末の「まとめ」によれば、法政大学カメラ部が離島を訪れたたきっかけは
「離島を紹介するため」ではなく、「その美しい風景をめでるため」でもなく、
「きびしい生活の姿、日本の現実の姿をこの目でたしかめようというところから出発した」とのこと。
収められた写真は各島の風習や日常の風景が収められた、資料的価値の高いもので、
同じ日本でありながら、文化や風習の違いを大きく感じるような、興味深いものばかりです。
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人々が共同体として日常生活をおくる姿や、周りを海に囲まれた島国故に残っている
文化の独特なかたちなどは、まるで別の国のことのようにも思えてきます。

以上のように@ワンダー2階南側古書フロアでは、絶版文庫も取り扱っております。
神保町へ起こしの際は是非お立ち寄りください!


【文庫、買入いたします!】
 ○岩波文庫/岩波現代文庫
 ○講談社文芸文庫/講談社学術文庫、
 ○ちくま文庫/ちくま文芸文庫/中公文庫/福武文庫 など
 歓迎いたします!

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