神保町の古書店 @ワンダーのブログ
神田神保町の古書店、アットワンダーです。SF・ミステリ・映画関連品ほか、買取歓迎! 古書探求をお楽しみの後は、2階に併設のブックカフェ二十世紀で珈琲をどうぞ。
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天気が読めないせいで洗濯物がたまる一方の今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は、あまり知られていないフランスのSF作品からおひとつご紹介を

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ピエール・プロ『この狂乱するサーカス』サンリオSF文庫



休むことなく映画を作り続ける<核地帯>とそれを取り囲む<環状地帯>。そこに住むすべての人々は映画の制作に携わって生きている。ある者は<シナリオ作家>や<役者>として、あるいは命がけの<エキストラ>として。
主人公シティズンは人気シリーズの英雄“ゾロ・ナップ”を演じるスターだ。彼は南国のリゾートを模した居住区に住み、誰もが羨むような暮らしを送っていた。
しかし、彼の中ではこの社会の不自然さへの疑念が渦巻いていた。この<核地帯>で作られている無数の映画は<大衆>のために作られているのだという。しかし、その<大衆>がどこにいるのか誰も知らないのだ。この代わり映えのしないシナリオもキャラクターも、<大衆>のためだというなら、映画を作っている自分たちにとって<大衆=神>ではないのか。過去の焼き直しばかりで、現実の社会を舞台にする新たな作品を作らないのはなぜなのか。
主人公の鬱積した苛立ちはヒロインとの出会いをきっかけに、ついに爆発する。
シティズンは<核地帯>での一切を捨て、ヒロインと共に作り物の社会の外を目指す……





著者のピエール・プロはフランスの小説家で、本国ではSFのみならず、西部劇、ファンタジー、ミステリを横断する非常に多作な作家として知られています。
残念ながら邦訳された作品は少なく、『原始の風が吹く大地へ―人類200万年前の目覚め』(草思社)、映画のノヴェライズ『ジェヴォーダンの獣』(ヴィレッジブックス)、それとご紹介の本作が知られているぐらいではないでしょうか?
『原始の風が吹く大地へ』は人類学者イヴ・コパンの監修のもと、人類の起源からその進化の過程を物語にした本国フランスでベストセラーとなった作品です。
『ジェヴォーダンの獣』は映画の方をご存知の方もいらっしゃると思いますが、ノヴェライズの方では表記がピエール・ペローとなってることもあり、著者として意識されていない作品かもしれません。
なお、ペローよりはプロの方が本来の発音に近いようです。

『この狂乱するサーカス』は発表当時、フランス本国で好評を持って迎えられ、翌1978年のフランスSF大賞を受賞しました。
日本ではフランスSF大賞はあまり馴染みがありませんが、1974年に創設され、後にフランスのもう一つのSF作品の賞であったアポロ賞を吸収する形で92年にイマジネール大賞(Grand prix de l'Imaginaire)と改名して今に続いている権威あるSF賞です。

本作は社会への皮肉に満ちた寓話的な作品となっています。
誰も知らない大衆にむけて映画を作り続ける社会。主人公はその偽りを看破し、障害を乗り越えて外の真実の世界を目指します。
しかし、<環状地帯>の向こう、たどり着いた場所で見た<大衆>もまた、主人公の想像を超えた何かの一部でした。
そこで映画が作られ続ける理由を知った主人公は<大衆>に訴えかけます。

「そんなものは棄てろ! わかるか? おまえが考えていることのなかに、真実などなにもないのだ!」p354
「わたしはきみたちを解放しに来た! …(中略)… みんな嘘なんだ! きっぱりと割りふられた、正確な役しかなくて、だれも選ばないのだ! だれも選ばない、いちども! いちども!」p355


偽りであっても豊かな生活を捨て、多くの犠牲を払った果てのシティズンの悲痛な叫びはいっそ滑稽な哀しさが漂います。
社会システムの中で誰かに割りふられた役ではなく、自分の意志であり方を選択した主人公シティズンは、それゆえに社会の中での居場所を失ってしまいます。
最後のシーンで戻ることもできず、行くあてもないシティズンはどことも知れない空の下で、夜明けを待ち星々を見上げながら呟きます。
『万事順調だ、シティズン』

何とも皮肉な味わいのあるフランスSFの名作です。
ひと味違ったSFを読んでみたくなったときなどにいかがでしょうか?


当店では今回ご紹介しました『この狂乱するサーカス』など、サンリオSF文庫作品も多数取り揃えております。
一気にまとめて揃えたいという剛毅な方もご安心ください。
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サンリオSF文庫全197冊に新装版4冊を加えた201冊セットは1階レジ前にて販売中です。



SF、買います! 詳しくはこちらから!

蔵書の整理をお考えの皆様、
神保町の@ワンダーへぜひ一度お問合せください。


早川書房・東京創元社他、
各社から刊行された国内/海外SF作品全般
評論その他関連書籍ジュヴナイル
文庫/新書/叢書/単行本/雑誌、幅広く取り扱っております。

ハヤカワ文庫SF創元SF文庫サンリオSF文庫
スペースオペラ/ハードSF/ニューウェーブ、
ミリタリーSF/ユーモアSF/サイバーパンク/スチームパンクetc、
幻の名作から定番作品まで買い取り歓迎いたします!


その他、ミステリ・推理小説映画関連品アメコミ・海外コミック
幻想文学・ファンタジー怪奇小説・ホラーなどなど、
店頭へのお持込みはもちろん、出張買入・配送査定もご相談承ります!

買取相談フリーダイヤル 0120-154-727
メールでのご相談も承ります。 wonder@atwonder.co.jp
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■7月2日(土)
【フタイ×キウイの二人でイイ噺!!】

立川流の〈唯我独尊〉真打・立川キウイが映画についてマニアックに吠えるゾ
聞き手は、元「暮しの手帖」副編集長で現在は映画ジャーナリストとして活躍する二井康雄
落語も演ります……ご期待ください!
19:00~20:30
会費1,500円(1ドリンク・落語付)
懇親会1,500円(軽飲食 20:30~21:30 ※自由参加です)


■7月11日(月)
【第62回被災地域の酒を呑む会】

東北づくしの食材とお酒で愉しみます。
19:00~21:30
参加費4000円
※女子割、下戸割3000円、学割2000円
要予約

■7月13日(水)
【第1418回Projet La Voix des Poetes(詩人の聲) 詩人原田道子 新詩集『かわゆげなるもの』刊行記念】

19:00~21:30
料金:3000円 予約2700円(学生1500円)


■7月16日(土)
【連続講座 古本屋的!! 第3回「出版する古本屋」】
盛林堂書房 小野純一

古本屋業の傍ら始め、早4年目を迎えた同人誌作り。なぜ、本を「売る」だけではなく、「作る」のか。本作りの魅力と大変さ、古本屋業との意外な関係を、今までの古本屋としての経験を踏まえ、お話しします。
19:00~20:30
会費 1,500円(1ドリンク付)
懇親会1,500円(軽飲食 20:30~21:30 ※自由参加です)

小野純一(おのじゅんいち)
1981年生まれ。
理系の大学を卒業した直後の2004年、急逝した祖父が経営していた古書店「盛林堂書房」を急遽継ぐことになる。ハコはあれども資金なし経験なしの状態から早12年。古書店を営む中で生じた「現在忘れられてしまっている作家や作品を多くの人に知ってもらいたい」思いを形にするべく一念発起し、2012年末からニッチなジャンルの名著復刻同人誌「盛林堂ミステリアス文庫」の出版を細々と開始。細々のはずが勢いづいて4年目にして既に出版点数40冊を数えるほどにのめり込んでしまったが、まだまだ続ける所存。


■7月22日(金)
出版記念トークセッション
季刊 ダンスワーク 2016年春号「特集 1970年代日本のダンス」
19:00~20:00 
会費1500円
司会:高島史於(日本舞台写真家協会会員)
ゲスト:長谷川 六(ダンスワーク編集長)

同時開催:高島史於写真展「1970~80年代のダンスシーン」
2016年7月15日(金)~7月22日(金)11時~19時  ※17日(日)は18時まで

高島史於(たかしまふみお)プロフィール
日本舞台写真家協会会員 日本ベトナム友好協会常任理事

1948年 東京生まれ
日本大学芸術学部写真学科に学ぶ
大学3年次にアーティスト集団(株)ドゥーハウスを設立。
渋谷に小劇場「スペース・ラボ・ヘアー」を運営し、演劇、ダンス公演、写真展、
美術展などを企画プロデュースする。
1983年 ドイツの演出家ヴォルフラム・メーリング氏のメソッドを撮影し、
写真集「マスク・ブリューレ」をフランス、セザール・ランシリオ社より出版
1984年 ドイツ・ハンブルグ工芸館「日本の写真展」に出品、展示。
写真集出版:デュモンフォト社刊
1988年 「日本舞台写真家協会」設立に参加。(2016年、第15回協会展開催)  
1991年~97年 毎年ジャマイカに通い、ボブ・マーリィ夫人リタをはじめ多くのレゲエ・アーティストと、フォトセッションを行い、CDジャケットやコンサート・ポスター、雑誌に掲載。
1994年 長野延吏子作品写真集「エレメント」出版
1994年~海外取材に取り組み、写真とテキストで誌面を構成し、この20年間に136回の海外取材を通し、各国の人々の生活と自然を、雑誌を中心にフォト・エッセイを発表している。
1996年~画廊マキイマサル・ファインアーツをプロデュース
2001年 英国・ロンドン クラフト・カウンシルにて「日本の現代ジュエリー展」に長野延吏子作品写真を発表、作品集の表紙を飾る。
2005年~2007年 新横浜テュフ・ラインランド・フォーラムのギャラリーをプロデュース
2009年 韓国・仁川広域市「訪問の年2009」の広報大使に任命され、1年を通して
観光プロモーションの手伝いをする。

写真個展・グループ展、多数開催


■7月29日(金)
ICカード研究会
テーマ:大臣認定第一号、マイナンバーカードの利活用官民連携の実例
19:00~21:00 
会費¥3000(1ドリンク・おつまみ付)今回の IC カード研究会は、前橋工科大学の柴田喜樹様ならびにICT まちづくり共通プラットフォーム
推進機構の中島あづさ様をお招きし、マイナンバーカードの利活用官民連携の実例についてご講演いた
だきます。




ご予約・お問い合わせは
イベント会場「ブックカフェ二十世紀」まで
jimbo20seiki@gmail.com
03-5213-4853
東京都千代田区神田神保町2-5-4
古書店アットワンダー2F
 海外コミックコーナーからお知らせいたします!
 光文社マーベルコミックス全24冊揃 ¥70,200 (¥65,000+税)
  『スパイダーマン』『マイティ・ソー』『シルバー・サーファー』
  『キャプテン・アメリカ』『ファンタスティック・フォー』『ハルク』『ミズ・マーベル』

 ご注文の手順など、詳しくはこちらをごらんください!
7月8日(金)より開催の三省堂書店池袋本店 古本まつり目録が発行されました。
7月6日(水)正午まで、掲載商品のご注文を受け付けております。
お探しの品や、気になるものがございましたら、ぜひこの機会にご注文ください!
@ワンダーの掲載品をこちらでも公開いたします。どうぞごらんください。

三省堂書店池袋本店古本まつり目録 @ワンダーの掲載品
映画チラシ・ポスター (JPEG画像)
映画立看ポスター (JPEG画像)
ミステリ・SF・アメコミその他 (JPEG画像)
  ※表記訂正  謹んで訂正いたします。
   67 鮎川哲也『リラ荘殺人事件』  誤: 昭30 → 正: 昭35


詳細リスト(テキストのみ) ※PDFファイル
立看ポスター 商品番号37~60画像 ※PDFファイル

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商品の実物は、@ワンダー店舗1階売場にてごらんいただけます。
スタッフまでお気軽にお申しつけください。



【ご注文の手順】
ご注文はメール、お電話、FAXにて承ります。
wonder@atwonder.co.jp
もしくは03-3238-7415までお申し込みください。

メール、FAXでのお申し込みの場合は、次の情報を忘れずにご明記ください。
 ・お名前 
 ・当選した場合の商品の送付先ご住所、及び連絡が可能なお電話番号
 ・商品番号 商品名 値段


ご注文が重なった際は、7月6日(水)午後より厳正な抽選を行い、
ご当選された方へ弊店よりご連絡、随時発送をいたします。
お支払い方法は、ご当選された方に個別にお知らせいたします。

抽選日までにご注文の無かった商品につきましては引き続きご注文承りますので、
お気軽にお問い合わせください。
皆様からのご注文をお待ちしております!


三省堂書店池袋本店 古本まつり
 2016年 7月8日(金)~7月13日(水) 午前10時~午後9時
 会場 西武池袋本店 別館2階特設会場(西武ギャラリー)
  ※7月10日(日)は午後8時閉場、
   最終日7月13日(水)は会場のみ午後6時閉場
  さらに今回は、会場の他に特設コーナーをご用意!
  文庫コーナー 西武池袋本店 別館地下1階 三省堂書店内
  絵本コーナー 西武池袋本店 別館地下1階 山野楽器前
  特設コーナー会期 7月7日(木)~7月13日(水) 午前10時~午後10時

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 海外コミックコーナーからお知らせいたします。
 先日は小説家が脚本を書いたコミックをごらんいただきましたが、本日は……
 キャットウーマン/セリーナ・カイルのキャラクターを大きく刷新したこのシリーズは、
 読者・批評家から高く評価され、犯罪コミックの名手ブルベイカーの代表作のひとつとなりました。
 そして、このシリーズの立ち上げに共に関わったのが、
 最初のストーリーの作画を担当したダーウィン・クックです。
1950年代の邦画パンフレットが入荷しました
2016年6月24日
画像は上から、溝口健二の「赤線地帯」「近松物語」、成瀬巳喜男&原節子の「山の音」、同じく原節子出演の「大番」。
高峰秀子の表紙が素敵な、久松静児の「渡り鳥いつ帰る」、岸恵子と池部良の麗しきツーショット、豊田四郎の「雪国」。
津島恵子が色っぽい、内田吐夢の「たそがれ酒場」、浩吉・ひばりの「びっくり五十三次」。
川島雄三&淡島千景の「真実一路」と、木下恵介&高峰三枝子&高峰秀子の「女の園」の併映。
吉村公三郎&若尾文子&菅原謙二の「一粒の麦」、家城巳代治&野添ひとみ&中原ひとみの「姉妹(きょうだい)」。
日仏合作、岸恵子&ジャン・マレー&ダニエル・ダリューの「忘れえぬ慕情」。

このほかにも、黒澤明脚本の「あすなろ物語」、南田洋子&根上淳の「十代の秘密」、淡島千景&菅原謙二の「静と義経」、
岸恵子&佐田啓二の「亡命記」、上原謙&香川京子の「モンテンルパの夜は更けて」、三益愛子の母もの、などなど、
各製作会社のものがございます。

一部はガラスケースに、その他は「新入荷! 邦画レトロパンフ」のコーナーを設けて出してあります。
残念ながら、中央で折れているなど、コンディションはいまひとつのものが多いですが、
皆様のご来店をお待ちしております。


映画関連グッズ、買入いたします!詳しくはこちらから!

 ●映画パンフレット  ●映画プレスシート
 ●映画チラシ     ●映画ポスター
 ●映画半券、試写状  ●映画スチル写真、ロビーカード、プロマイド
 ●映画関連書籍・雑誌……「平凡」「明星」などの芸能雑誌も歓迎!
 ●その他映画グッズなど、何でもお気軽にお問い合わせください。

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

 海外コミックコーナーからお知らせいたします。
 本日ご紹介の新入荷品はこちらの2点。

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 少しばかり長くなりますが、ぜひぜひおつきあいください。
ヤフオク!に新規商品を出品いたしました。
出品リストはこちらになります

ジョン・フォード,ジェイムズ・スチュアート『シャイアン』の超大型ポスター他 映画アイテム
食玩 セーラームーン セーラークリスタル3 (未開封) 他 アニメ資料、グッズなどを出品しております

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三省堂書店池袋本店 古本まつり
 2016年 7月8日(金)~7月13日(水) 午前10時~午後9時
 会場 西武池袋本店 別館2階特設会場(西武ギャラリー)
  ※7月10日(日)は午後8時閉場、
   最終日7月13日(水)は会場のみ午後6時閉場
  さらに今回は、会場の他に特設コーナーをご用意!
  文庫コーナー 西武池袋本店 別館地下1階 三省堂書店内
  絵本コーナー 西武池袋本店 別館地下1階 山野楽器前
  特設コーナー会期 7月7日(木)~7月13日(水) 午前10時~午後10時

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西武池袋本店にて、第2回三省堂書店古本まつりが開催!
もちろん、@ワンダーも参加いたします。
SF、ミステリ、映画関連品に加え、今回はアメコミをどっさり持っていく予定!
ただいませっせと準備中です。来月はぜひ池袋へお集まりください!

そして、各参加店の目玉商品をたっぷり掲載した目録もまもなく発行。
@ワンダーの掲載品につきましては、当ブログでもご紹介いたします。お見逃しなく!
梅雨入りしたとはいえ、晴天の日はもうすっかり夏の気配を帯びてまいりました。
この時期は、そろそろエアコンを入れようか、いやまだ早いという脳内問答が毎年恒例になっております。
そんなエアコンの誘惑に負けそうになりながら、本日ご紹介するのはこちら

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ジュナの冒険3『緑色の亀の秘密』ハヤカワ文庫Jr
ジュナの冒険4『赤いリスの秘密』 ハヤカワ文庫Jr


エラリイ・クイーンJr.名義の作品から2点です。
エラリー・クイーンといえば、「悲劇」4部作を書いた際のバーナビー・ロス名義が有名ですが、児童向けに書かれたこちらの『ジュナの冒険シリーズ』ではエラリー・クイーンJr.名義が使われております。

本シリーズではクイーンらしい謎解きはもちろんのこととして、児童小説ならではの味として、主人公ジュナ少年が知恵を働かせて悪人を相手に大人顔負けの大活躍を見せるという痛快なストーリーがあります。
ジュナが好奇心から調べはじめたことが事件につながっていき、ときに銃を持った凶悪犯や脱獄囚に捕まってしまうハラハラする展開と、あわやというところで駆けつける警察などお約束ながら、子供時代に出会いたかった正統派なお話です。
こちらの『緑色の亀の秘密』と『赤いリスの秘密』は、もちろんそれぞれに独立した物語として読めるのですが、3巻がジュナの叔母の姉の面倒を見に来た街での冒険で、4巻はそこから家のあるエデンボロに帰る際の出来事となっています。

また、このシリーズには都筑道夫がそれぞれに解説を添えており、子供向けに分かりやすく噛み砕いて書かれていながら、そこには大人になって読んでもなるほどなぁと思わせる奥深さがあります。
例えば

“ふつうの小説は、事件のはじまるところから、はじまって、おわるところで、おわるものですが、本格推理小説は、事件のおわったところから、はじまります。”――――― 『赤いリスの秘密』解説260頁より

なんとも簡便にして明快な語り口でありながら本質を突いた説明が、若い読者のために意を用いている様を伺わせます。
解説だけでなく、巻頭にはそれぞれの訳者が、エラリー・クイーンとその作品について導入を書いており、ハヤカワ文庫のJrレーベル立ち上げ当時の力の入れようが伝わってきます。

夏の気配を感じる季節に、童心を思い出す読書はいかがでしょうか?


 補遺
シリーズ第9巻にあたる『紫の鳥の秘密』は残念なことに未だ刊行されておりませんが、
ミステリマガジンにてジュブナイル・ミステリ特集が組まれた際に、2008年2月号No.624から4月号No.626にかけて前中後篇に分けられて収録されました。
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現在、当店には前篇中篇の収録されたNo.624、No.625がございます。
惜しいことに後篇のNo.626が欠けております・・・



ミステリ・推理小説、買います! 詳しくはこちら

蔵書の整理をお考えの皆様、
神保町の@ワンダーにぜひ一度ご相談ください。


東京創元社・早川書房他、各社から刊行された翻訳ミステリ
新青年/宝石/幻影城/江戸川乱歩賞作家らによる昭和の推理/探偵小説
評論その他関連書籍ジュヴナイル
文庫/新書/叢書/単行本/雑誌、幅広く取り扱っております。

ハヤカワ文庫HM/ハヤカワ・ミステリ文庫、創元推理文庫、
昭和30年代までの国内推理/探偵小説単行本

本格ミステリ / ハードボイルド / サスペンス、
警察小説 / スパイ小説 / 冒険小説などなど、
幻の名作から定番作品まで、買い取り歓迎いたします!

その他、SF映画関連品アメコミ・海外コミック
幻想文学・ファンタジー怪奇小説・ホラーetc、
店頭へのお持込みはもちろん、出張買入・配送査定も承ります!

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メールでのご相談も承ります。 wonder@atwonder.co.jp
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